CECIL TAYLOR (1929-2018)


Blue Train and Cecil Taylor Quintet /  Blue Fire   United Artists (Victor)  MJ-4001 1959年
Cecil Taylor / Chinampas  Leo  LR153 1988年



セシル・テイラーというピアニストは、かなりの数のレコードがありますが、「よく売れる」とか「みんなが欲しがる」というものはほとんどありません。強いて言えば、左側の自動車の写真を使用したアルバムが有名です。ただ、よく知られているのはジャケットもタイトルも全然違うレコード(持っていない)で、共演者のジョン・コルトレーンのアルバムとして後年売られました。右側のレコードは、何とポエトリー・リーディング(詩の朗読)のアルバムです。ピアノは弾いてなくて声とパーカッションが多重録音されています。

このレコードのオリジナルは、「Cecil Taylor Quintet / Hard Driving Jazz」で12インチ(30cm)のLPですが、これは違うタイトルに変えられてて、10インチの一回り小さいレコードとして日本で発売されました。


裏面の解説ではジョン・コルトレーンのアルバムになってます(笑)!一般的に10インチは12インチより小さいので、曲の収録時間が少ないのですが、これはオリジナルの12インチと同じ4曲です。

 
レーベルはUAの初期のデザインを使っています。


右側のレコードの裏面:限定500枚という記述があります。CD化されましたが、ジャケットのデザインが違うようです。

レーベルのデザイン



ジャズという音楽ジャンルは、万人が聴いて楽しめるというものではないと思いますが、その中でもセシル・テイラーの音楽は「難解」な部類に属しています。車の中や酒場で聴いて楽しめる音楽ではないということです。私は20代の時に彼のレコードを沢山買って聴いていましたが、3枚組のライブアルバムなんかを続けて聴くとかなりグッタリしました(笑)!ほとんど「修行」です。

音楽は「芸術」のジャンルの一つですが、レコードは「商品」で、売れなけらば成り立たないメディアです。左のレコードは日本で発売する際に、ジョン・コルトレーン名義で、一回り小さいレコードにして30cmのLPより安くしました。
右のレコードは、売れる見込みが全くないのですが、世に出され彼の死後も作品として残り続けます。

セシル・テーラーは、真のアーティストでした。合掌。


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