「エンジェルの赤盤のニーナ・シモン」 天使がレコード盤の溝を羽ペンでなぞっているイラストがトレードマークのレコードレーベルです。日本ではクラシックのレコードが多いのですが、このレコードはアメリカ人歌手のニーナ・シモンのデビューアルバムの日本プレス盤です。本国アメリカでは「 ベツレヘム 」というマイナーレーベルから出ていたのですが、日本と直接の契約がなかったらしく、イギリスのEMI経由での発売だったようです。「ベツレヘム」のレコードは当時イギリスでは「パーロフォン」から発売されていたようですが、ネットで検索してもニーナ・シモンのイギリス盤はシングルやEPしか出てこなかったので、LPがあるかどうかは不明です。「赤盤」というのは、東芝が1968年頃から1974年頃まで発売していた赤(えんじ色)のビニールを使ったレコードのことを言います。特にビートルズの日本盤で有名です。音はアメリカ盤より「柔らかい」悪く言うと「古臭い」感じですが、こちらの方が好きなのでよく聴いています。 NINA SIMONE / LITTLE GIRL BLUE HV 3010 日本語の発音は、今では「ニーナ・シモン」ですが、当時は「ニナ・シモーネ」になってます。 会社名が東芝になる前の「東京芝浦電気」で、活字の書体が味わい深いです。解説が大橋巨泉。
このブログの人気の投稿
CECIL TAYLOR (1929-2018) Blue Train and Cecil Taylor Quintet / Blue Fire United Artists (Victor) MJ-4001 1959年 Cecil Taylor / Chinampas Leo LR153 1988年 セシル・テイラーというピアニストは、かなりの数のレコードがありますが、「よく売れる」とか「みんなが欲しがる」というものはほとんどありません。強いて言えば、左側の自動車の写真を使用したアルバムが有名です。ただ、よく知られているのはジャケットもタイトルも全然違うレコード(持っていない)で、共演者のジョン・コルトレーンのアルバムとして後年売られました。右側のレコードは、何とポエトリー・リーディング(詩の朗読)のアルバムです。ピアノは弾いてなくて声とパーカッションが多重録音されています。 このレコードのオリジナルは、「Cecil Taylor Quintet / Hard Driving Jazz」で12インチ(30cm)のLPですが、これは違うタイトルに変えられてて、10インチの一回り小さいレコードとして日本で発売されました。 裏面の解説ではジョン・コルトレーンのアルバムになってます(笑)!一般的に10インチは12インチより小さいので、曲の収録時間が少ないのですが、これはオリジナルの12インチと同じ4曲です。 レーベルはUAの初期のデザインを使っています。 右側のレコードの裏面:限定500枚という記述があります。CD化されましたが、ジャケットのデザインが違うようです。 レーベルのデザイン ジャズという音楽ジャンルは、万人が聴いて楽しめるというものではないと思いますが、その中でもセシル・テイラーの音楽は「難解」な部類に属しています。車の中や酒場で聴いて楽しめる音楽ではないということです。私は20代の時に彼のレコードを沢山買って聴いていましたが、3枚組のライブアルバムなんかを続けて聴くとかなりグッタリしました(笑)!ほとんど「修行」です。 音楽は「芸術」のジャンルの一つですが、レコードは「商品」で、売れなけらば成り立たないメディアです。左のレコードは日本で発売する際に、ジョン・コルト
DONOVAN / CATCH THE WIND Hickory Records LPM 123 & LPS 123 1965年 イギリスのシンガー、ドノヴァンのデビューアルバムのアメリカ盤。左がモノラル、右が擬似ステレオ。彼は「英国のボブ・ディラン」なんて言われたりしていますが、アルバム・タイトルでデビュー・シングル曲「風を捕まえて」はディランの「風に吹かれて」を意識したんでしょうか?他の収録曲には、世にディランを紹介したと言われるフォークシンガー、ジョーン・バエズのヒット曲「ドナ・ドナ」なんかも歌ってますし・・・! 本国イギリスで発売のレコード は同じ写真を使っていますが文字のレイアウトが違います。ドノヴァンは左利きではないので、左のレコードの写真は「裏焼き」だと思います。イギリス盤にはステレオのレコードがないみたいです。なので、アメリカで発売する際にモノラル録音の音源を電気的にステレオっぽく(ちょっと空間的に広がっている感じがするように)マスタリングしなおしています。アメリカではイギリスよりも早くに「ステレオ」が普及したようで、ステレオがメインで、まだステレオの装置を持っていない人やラジオ局用にモノラルのレコードを生産したようです。モノラルの装置というのはスピーカーが一つで、ステレオ(2チャンネル)のレコードを再生しても意味がないのと、ラジオもまだFM放送(ステレオ)が普及していなくて、AM放送が主流だったようです。 レーベルのデザインは同じで、右のには「STEREO」の文字があります。 その本家ボブ・ディランのデビュー・アルバムなんですが、これも「裏焼き」だと言われています(ギターの弦の張り方が左利き用)。このレコードのモノラル盤(持ってない)は、同じ写真を使っているので、間違ってフィルムのネガを裏焼きしてしまった(現在のデジタル写真ではもうこんなことはないのですが・・・!)のか、もしかすると、文字とのレイアウトの関係でデザイナーが「わざと」左右反転したのかもしれません。 2つ目のステレオ盤(モノラル欲しいなぁ!)
コメント
コメントを投稿