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1月, 2018の投稿を表示しています
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ROBERT MAPPLETHORPE (1946-1989) 右:Patti Smith / Dream of Life  Arista AL-8553  1988年 左:Swans / The Burning World  Uni Records uni-601  1989年 ロバート・メイプルソープ という人は、1980年代のアートの世界では本当のスターだったんだと思います。写真家がアーティストとして世界各国で展覧会が催されるということは、今後もうないのではないかとも思う。メイプルソープは、右のアルバムの「パンクの女王」と言われたパティ・スミスとの関係が有名で、彼女の1975年のデビュー・アルバム「 Horses 」の方が評価が高いのですが、残念ながら現在私は所有しておりません。「ドリーム・オブ・ライフ」は、彼女が1980年に結婚を機に音楽活動を休止していた後の復活のアルバムで、1987年に撮影したメイプルソープ撮影のポートレートが使われました。彼の写真の多くは割と「即物的」で「情緒性」はあまり私には感じられないのですが、ことパティ・スミスのポートレートとなると、全然違う印象を受けます。 写真家の被写体として「花」は、特に珍しいモーチフではないのですが、メイプルソープのそれは「自然美」ではなく「造形美」という言葉がふさわしい作品で、私にはスタジオでポーズをとるモデルのように感じられます。 右のパティ・スミスのレーベルは、大手メジャーだからなのか「ダサい」デザイン。独自のカスタム・レーベルにして欲しかった。左のスワンズのレーベルは大手MCA傘下で、すっかり聴きやすくなった。プロデューサーは、あのビル・ラズウェル。 Laurie Anderson / Strange Angels  1989年 ローリー・アンダーソンというアーティスト/ミュージシャンも80年代に活躍しましたね。これもメイプルソープの写真ですが、彼はこのアルバムが発売される数ヶ月前にエイズで亡くなっています(享年42歳)。 メイプルソープの写真がレコードジャケットに使用されているのは、パティ・スミスを除けばそれほど多くはありません。彼が得意とする被写体は過激な物が多く、独特の象徴性があるので、そもそもミュージシャンのポートレート以外
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MIKE OLDFIELD / TUBULAR BELLS  Virgin V2001  1973年   通称「サントラ」と呼ばれている音楽があります。「 サウンド・トラック 」の略のカタカナ語ですが、意味は「映画のフィルム上に音声が収録されている部分」のこと。映画に使われた音楽を収録したアルバムを指すこともあります。 イギリス人のミュージシャン、マイク・オールドフィールドが製作した「 チューブラー・ベルズ 」というアルバムは、当時新興レーベルのヴァージン・レコードから発売されてとってもよく売れたのですが、一部の曲がアルバムの製作意図と関係ない「 エクソシスト 」というホラー映画の場面に本人に無断で使われ、その映画が大ヒットだったので、さらに売れ続けました。そして残念ながら、「悪魔祓い」のテーマ曲になってしまいます。訴訟にまでなったようですが、その後和解したようです。売れちゃうと「続編」を作りたくなるのが世の常なんですが、「Ⅱ」(右)が出たのがオールドフィールドがヴァージンから大手ワーナーに移籍した1992年になってからです。 「チューブラー・ベルズ」というのは「 長い金属の筒を並べた楽器 」のことで、その筒をハンマーで叩いて音を出します。このアルバムには、その筒状のを金属を曲げたイメージがジャケットに使われていますが、実際に音楽にもその楽器が使用されています。オールドフィールド本人の希望なのか、レコード会社の意図なのかはわかりませんが、その「又」状に曲げられたチューブのイメージが、その後ずーっと使われ続けられます。 左の「Tubular Bells」は、1980年代の再発のデザイン。右の「Ⅱ」のレコードは、2014年の発売。 「TUBURAR BELLS Ⅲ」1998年発売のCD。この他にも「オーケストラ・ヴァージョン」や「リミックス」「リマスター」「再録」等々、何だか同じようなジャケットで編曲アルバムが多数存在します。 私が中学生の時、その映画を観て初めて買った「洋楽」のレコードがこれ!当時は訴訟のこともあって本人が演奏していないカヴァーのレコードも沢山出ていたそうですが、ヴァージンレコードと契約があったコロムビアから出たシングル盤。ただ、これも断りなく勝手に編集してるらしいけど(笑)!オールド
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CAB CALLOWAY  Epic LN 3265  1956年 歌手キャブ・キャロウェイの1930〜40年代の録音を収録したLPレコード。イラストを描いたのは Sam Norkin という劇場を中心としたカリカチュアで有名なイラストレーターだそうです。キュビスムの影響を受けたアール・デコ風の作品になっていて、当時の雰囲気を感じさせるものです。 表面:「コーティング」なのか「ニス引き」なのかわかりませんが艶があります。 裏面:収録曲 レーベルのデザイン                             ベティ・ブープのアニメーションでキャブ・キャロウェイの曲がつかわれています。
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THELONIOUS MONK and GERRY MULLIGAN / MULLIGAN MEETS MONK Riverside RLP 12-247  1957年 このアルバムは、バリトン・サックスのジェリー・マリガンがモンクとの共演を望んで実現し製作されたものと言われています。1957年に出た最初のカヴァーは文字のみのデザインでしたが、次の年に出たセカンド・プレスからは二人のミュージシャンの写真が大まかなデザインを変えずに追加されています。再発のレコードやCDは全て写真入りのデザインです。私は文字のみの方が「スタイリッシュ」でカッコいいと思うのですが、レコード会社はミュージシャンのイメージ(写真)があった方がいいと判断したのでしょうか? ファーストプレス(上)のジャケットの裏のクレジットには、なぜかポール・ウェラー(写真)という記載があります。下の再発の裏ジャケにはロバート・パレントが撮った写真だということが載っています。ファーストプレスのジャケットには、どこにも写真がありません。当初は写真も含めたデザインで、何らかの事情で変更になり使われなくなったのに裏ジェケの印刷がもう終わっていてそのまま使ったんでしょうか?再発の記述が全部パレントさんなので、ウェラーさんの写真は「幻」ということかな?因みに、ウェラーさんもパレントさんもリバーサイド・レコードの仕事をしている写真家です。 ジャケットのデザインのことではないのですが、上のモノラル盤のエンジニアは、ジャック・ヒギンズですが、ステレオ盤のエンジニアは、レイ・フォウラーです。再発盤はモノラル盤の裏ジャケを使っています。そして、B面の最初の曲はモノラル盤とステレオ盤ではテイクが違います。他の曲は同じテイクなので、モノラル録音用のテープとステレオ録音用のテープをそれぞれのエンジニアが同時に回していたようです 。 左がファーストプレス(?)モノラル・青・大・溝。右は1987年のファンタジー社から出た再発盤のデザイン。「白」は、リバーサイドレコードの初期のデザインですが、実際のステレオの初回は「黒」です。
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JOHN LEE HOOKER / CHILL OUT  Virgin/Pointblank  VPBLP 22  1995年 このジョン・リー・フッカーというブルース・ミュージシャンのアルバムは発売が1995年で、アメリカや日本では、CDの普及でもうほとんどレコードの生産をしていなかった時期のものです。なぜかヨーロッパではメジャーなものだけだと思いますが、初回のみレコードがプレスされていました。ブルースという音楽のジャンルは、決してメジャーではありませんが、このアルバムは Virgin という比較的メジャーなレコード会社からリリースされ、ゲストミュージシャンにサンタナやヴァン・モリソンが参加しています。そして、ジャケットの写真があの Anton Corbijn ( アントン・コービン )ということで、奇跡的にアナログ盤が作られたんだと思います。 内袋にもアントン・コービンの写真。 レーベルのデザイン。 CDにはデジパックのジャケットと普通のプラケースのがあります。一般的に、この時期のアートワークはCDが基本で、レコードのはCDのレイアウトをただ拡大したものが多いのですが、このアルバムはレコードの大きさ(30cm角)が前提となってデザインされているようです。(コービンの写真は、CDサイズだと魅力が半減)
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FREE / TONS OF SOBS  Island  ILPS 9089 UK 1968年 FREE / TONS OF SOBS  A&M  SP 4198 US 1969年 1960年代のイギリスのロックのアルバムは、アメリカや日本での発売の際、ジャケットのアートワークが変えられるということが往往にしてありました。1970年代に入ってからは、レコード会社やミュージシャンがジャケットのデザインも含めたトータルなアルバムのコンセプトを重要視する傾向が増すに連れて、社会的に問題ある場合以外はなくなってきます。左側がイギリス盤のオリジナルのジャケット。右側がアメリカ盤。 これは、フリーというバンドの1stアルバムです。多分「新人バンド」としてアメリカで売ろうとすると、この「意味不明」な写真を使ったアートワークだと「売りづらい」と思ったのでしょうか?確かにちょっと気持ち悪い(笑)! アメリカ盤は、イギリス盤の見開きの内側の写真をそのまま表と裏のシングルジャケットのデザインに使用しています。バンド名、タイトルのロゴは、色を変えてそのままです。まぁ、新たにデザインするよりは楽ですが、かなり手抜きですね。 左がイギリス盤のレーベルのデザインで、1970年代の再発。右はアメリカ盤のレーベルのデザイン。
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Tina Brooks / The Complete Blur Note Recordings of the Tina Brooks Quintets  Mosaic Records MR4-106  1985年 Freddie Redd / The Complete Blur Note Recordings of Freddie Redd  Mosaic Records MR3-124 1989年 上の右側のレコードは、ティナ・ブルックスというサックス奏者、右のはフレディ・レッドというピアニストが、それぞれ ブルーノート・レコード のために録音した音源の「完全版」です。ティナ・ブルックスのは4枚組、フレディ・レッドは3枚組みですが、T.ブルックスはよっぽど売れなかったのか、当時発売されたアルバムは1枚のみで、残りの3枚は発売されませんでした。F.レッドの方も3枚の内2枚にブルックスが参加、そして1枚が未発です。 1966年にプロデューサーの アルフレッド・ライオン がブルーノートを米リバティー社に売却します。1975年から マイケル・カスクーナ という人がそのブルーノートの膨大なアーカイヴから重要なセッションを発掘し、1983年にジャズの再発に特化したモザイク・レコードを設立します。 モザイク・レコード のジャケットのアートワークは、白黒写真に白文字のサンセリフ体というのがほとんどで、とても「地味」です。 音楽を聴くということは「娯楽」なんだと思いますが、音楽アルバム(レコードやCD)という商品が「記録・資料」ということになれば、娯楽性は薄れて「学問・研究」みたいになる気もしますが・・・未発表音源を「発掘」するなんて「考古学」にたいな言葉を使うし。こうなると、「売れる、売れない」は関係ないように思いますが・・・?まぁ、確かにこのモザイクレコードのボックスが限定発売で、解説、ディスコグラフィ、写真からなるブックレットが付いています。 レーベルのデザイン。 ティナ・ブルックスのリーダー作で、唯一発売されたレコードのジャケットのアートワーク。このレコードは近年の再発盤。
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ORNETTE COLEMAN / SOMETHING ELSE!!!!  Contemporary  C3551  1958年 ジャケットのアートワークが後年の再発の際に変えられるということがあります。「著作権侵害」「猥褻」「グロテスク」等、「よろしくない」という理由で仕方なく・・・が多いように思いますが、逆に積極的に「もっと売りたい」がために、より「コマーシャル」な変え方をする場合もあるようです。 このオーネット・コールマンのデビュー・アルバムは、最初「楽器を持って椅子に座る」写真を使用していたのですが、後年のステレオの時代になってからは「横向きで楽器を演奏する」写真に変えられました。現在のCDもこのデザインです。プラスチック製のサックスは変わらないのですが、ファッションが「スーツ姿」から「セーター」になり、多分1958年当時のものではなく、数年後新たに撮影したものだと思われます。 オーネットは、コンテンポラリー・レコードに2枚のアルバムを録音してから、1959年にアトランティック・レコードに移り、「ジャズ、来るべきもの(The Shape of Jazz to Come)」というタイトルのアルバムを出し注目されます。当時はジャズミュージシャンのファッションと言えば「スーツ」が当たり前だったのですが、このジャケットのオーネットはプラスチック製のサックスを抱えた黒いセーター姿でした。 多分、コンテンポラリー・レコードとしては、アトランティックのオーネット人気にあやかってか「セーター」の写真に変えたんだと推測されますが・・・どうなんでしょうか? 左がモノラル盤。「サンプル」のスタンプが押してあります。右が再発のステレオ盤。 ORNETTE COLEMAN / THE SHAPE OF JAZ TO COM  Atlantic 1959年 これは、日本の初回盤。
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JIMMY REED at CARNEGIE HALL  Vee Jay 2LP-1035 the BEST of JIMMY REED  Vee Jay LP-1039 ブルースのジャケットのアートワークは、ジャズのような「スタイリッシュ」なものは少ないし、ロックみたいな「アート」しているのも多くはない。中には面白いのもあるにはあるが、まぁ大体のはミュージシャン本人の写真を使用した「普通」のがほとんどです。 ジミー・リードのこれらのレコードは、何だかよく似ているんだけれども・・・左のが「アット・カーネギー・ホール」、右のが「ザ・ベスト・オブ」というタイトルで別物ですが・・・しかし! 左のが2枚組で「RECORD "B"」が「the best of」になっていて、上の右のレコードと全く同じ内容です。私は左の1枚物を先に買ったので、完全に「ダブり」のレコードです。レコードの番号からすると2枚組の方が若いので、1枚物のベスト盤より先に発売されたことになりますが・・・? しかも、いかにも「カーネギー・ホール」でのライブ録音のようなタイトルですが、聴いてみると拍手や歓声もない正しく「スタジオ」録音です(笑)。 レーベルは黒・レインボウ。マトリックスは同じなので、同一のメタル・マザーから作られた盤だと思います。ただ、レコード盤の厚さが違うので、別のスタンパーでプレスしたものでしょう。音は右の方がちょっとクリアな気がする(気のせいかも?)。 こちらは、ジミー・リードの1stアルバム。写真は違いますが、「アット・カーネギー・ホール」とほとんど一緒! このレーベルは初期のデザインのもの。